昨日オープンベータが開始されたさくらインターネットの新しいPaaS、DockerイメージやGitHubとの連携することで、インフラにとらわれることなく、アプリケーションのデプロイができるようになっています。データベースや永続ボリュームがすでにサポートされ、今後、WebサービスやSaaSの基盤として、またチームでの開発に適した機能が拡充されていく予定です。
さっそく試していただき、記事を書いていただいています。ありがとうございます。
この記事ではサンプルのアプリケーションとして、MySQLアドオンを使い phpMyAdminとWordPress を立ち上げてみます。
プロジェクトの作成
さくらのクラウドのホームからHacobuneのコンソールへ移動し、新しいプロジェクトを作ります。
ここでは名前は hacopress としました。
MySQL アドオンの作成
phpMyAdminとWordPressに必要なMySQLアドオンを作成します。プロジェクト一覧からプロジェクトをクリック、アドオンタブに移動し、新規作成ボタンを押します。
アドオン名が、今後接続に使うホスト名になります。 タイプで、MySQLを選択し、パスワードとサイズ(ここでは10GB)を指定し、作成します。
しばらく経つと、MySQLが起動します。
phpMyAdmin の起動
次に、phpMyAdminを起動します。phpMyAdminは公式のDockerイメージがあるので、そちらを利用します。
今度は、アプリケーションタブから、新規作成ボタンを押します。
アプリケーション名に任意の名前、デプロイ方法としてDockerを選択し、Dockerイメージ名に「phpmyadmin/phpmyadmin」と指定します。
そして、環境変数の設定をします。
PMA_ARBITRARY: 1 PMA_HOST: hacodb # MySQL アドオン名 PMA_USER: root PMA_PASSWORD: xxx #アドオン作成時に指定したパスワード
この4つを指定しました。
次に、外部公開を有効にして、外部からphpMyAdminにアクセスする際のURLを指定します。
また、外部からすぐにアクセスができないよう、Basic認証も付けました。IPアドレスによる制限もかけられるので、任意の公開範囲のサービスやテスト環境の作成もできそうです。
これで最後の「作成」ボタンを押すことで、アプリケーションがビルドされて、アクセス可能な状態となります。
URLをクリックし、Basic認証のアカウントを入力後、phpMyAdminにアクセスができます。
どうやら、MySQLは5.7のようですね。これでphpMyAdminの起動は完了です。次にWordPressの立ち上げをしていきます。
WordPress の構築
まず、WordPress用のDBとユーザをphpMyAdminから作成します。
ユーザアカウントタブから、「ユーザアカウントを追加する」のリンクを辿り、必要な項目を入力します。ここでは「同名のデータベースを作成してすべての権限を与える」のcheckboxを有効にし、データベースも同時に作ってます。
ここからはまたHacobuneのコンソールに戻ります。
アプリケーションタブの新規作成ボタンを押し、wordpressのDockerイメージを指定します。
そして、環境変数をいくつか指定していきます。
WORDPRESS_DB_HOST: hacodb # MySQL アドオン名 WORDPRESS_DB_USER: wpdb # WordPress用につくったユーザ名 WORDPRESS_DB_PASSWORD: xxx # WordPress用につくったユーザのパスワード WORDPRESS_DB_NAME: wpdb # WordPress用につくったDB名 WORDPRESS_TABLE_PREFIX: wp_ # 任意
外部からアクセスを有効にして、URLの指定
さらにもう一つ、WordPressのファイルを永続化するためのボリューム(ディスク)を作成・指定します。「永続化」の項目で新規作成をクリックし、
名前とサイズを指定し、ボリュームを作ります。ここでは10GBとしました。
これを、「マウント」のところから利用します。内容を表示ボタンをクリックし、「追加」します。
出てきたフォームに /var/www/html
を入力、プルダウンで作成したボリュームを選びます。
これで全ての設定が完了しました。最後の「作成」ボタンを押すことで、WordPressアプリケーションがビルドされて、アクセス可能な状態となります。
URLをクリックすることで、WordPress の初期画面がでてくるようになりました。
あとは、WordPressの初期設定・アカウント作成を行えば、利用可能な状態となります。
試しに記事を作成したり、WordPressの管理画面から画像をアップロードし、その後Hacobuneのコンソールからアプリケーションの再起動などを試してみましたが、データがなくなることはありませんでした。
まとめ
Hacobuneで、MySQLアドオンを作成し、それを利用するアプリケーションを2つ構築することができました。ここまで黒い画面やコマンドを打つをことはありませんでしたネ。
Hacobuneはオープンベータとなり、無料で利用できます。今後、ロードマップにある機能の拡張が行われる予定です。ぜひ利用していただいて、フィードバックいただけると嬉しいです!よろしくお願いします。